高校の時分に、その頃の流行歌(寺尾聰、YMO、松田聖子など)をラジオでチェックしながら、貸しレコード もしくは 友人 及び ご兄弟のレコードから カセットにダビングして、関わった音楽を聴いているだけの日常だったところから、ある日 突然 中学の同級生から ジャズ喫茶なる 妙に斜に構えた大人の世界に引きずりこまれてから、ほぼ四半世紀。
音楽のジャンルは広がれど、聴き方の へそ曲がり具合は 多分に その頃に形成されたものと思われ、いまに至っているわけですが、ありがたいことに 聴き手としては 幸せな道のりを歩んでこれたのも、その頃の へそ曲がりが幸いしているものと 思い込んでいる訳です。
で。
当然のように、ジャズの名盤なる切り口で出逢う いい演奏があります。
これは、その あまたある 名盤の うちの 特にグッとくる演奏です。
ああ。知ってる知ってる。アートペッパーの『ベサメムーチョ』入ってるやつでしょ。
なんて、訳知り顔の いろいろ めんどくさい 自称ジャズファンの おじさまが おっしゃる程度の名盤と思ったら、大間違い。( ま。かくいう私も 相当に めんどいオヤジではあるのですが,,, )
現在残念ながら絶版中の名著、アートペッペー自伝『ストレートライフ』
共著者の未亡人のローリーさんが、亡き夫の復刻への想いから いくつかのプロジェクトが良心的なマスタリングエンジニアとの出逢いもあり。次々と形になっております。
The Art Pepper Quartet — The Art Pepper Quartet | Omnivore Recordings
入手困難だったアート・ペッパー ATLAS盤2タイトルがボーナストラック追加で再登場|2017年2月発売|HMV&BOOKS online
なんと、Bandcampのページもあって。
半世紀以上たって、アートペッパーの音源をBandcampで購入することになろうとは。
高校生の自分に 当時に戻って こんな幸せを聞かせてやったとしても、「このオヤジ、訳わかんねえこといって やがんな。あぶねー あぶねー,,, 」などと邪険にされる可能性大。
でも、時代は 気軽だけど 真剣な仕事を耳にする機会も 自由になったのでは。
しかも、それらを選べるようにも なった。
復刻されるプロジェクトの多くが、大量の人手と莫大な予算とプロモーションを経ていないと、無いも同然のなか、このプロジェクトは 暖かい 手弁当のノリが 大変に好ましく、静かでも いいから より多くの良質の音楽を求めるリスナーに届けと願わずには いられません。
これだけの良質な復刻は ひとえに ローリーさんの熱意と愛情の賜物です。
可能な限りのテイクを おさめた この音源。
『タンパ盤 アートペッパーカルテット、世紀のコンプリート!』とでも
しっかり名付け、大々的に宣伝して、当たり前に表立って流通すべしと願います。
ぜひ、ご体感ください。
内容に関しては、ブロガーの先人が言葉を尽くして紹介されておられます。
アート・ペッパー THE ART PEPPER QUARTETのページです:[ジャズCDアナログ専門店「JAZZ SHOPAGATA」]
では、よしなに,,,